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海鳥日記

フクロウ放鳥しました

先日保護したエゾフクロウを放鳥しました。エサも自分で食べるようになり、枝から枝へ飛べるようにもなりました。ただ、左目は治ることなく視力を失ってしまったようです。
フクロウ放鳥しました_f0159390_11235383.jpg

しかしながら闇夜を飛ぶフクロウにとっては、視力よりも聴力の方が重要です。放鳥しても十分に生きていけると判断しました。


さて、みなさんは、保護したフクロウにどのようなエサを与えていたと思いますか?保護してから放鳥するまでに与えていたエサを、保護飼育の経過とともにここで紹介したいと思います。

◆保護直後は弱っていたので、いきなりエサは与えません。段ボールの箱に入れ、体温維持のためにペットヒーターで温めて、暗くして安静にさせました。落ち着いてからブドウ糖の水溶液をスポイトで喉に流し込み、栄養剤代わりに与えました。

◆3日目になり、ようやく容体も落ち着いてきたので、固形のエサに切り替えました。このときに与えていたのは鶏のササミです。細かくちぎって目の前に近づけても全く食べる気配がないため、クチバシを手でこじ開けて、喉の奥にササミを押し込んで食べさせました。これを強制給餌と言います。

◆さらに数日が経つと、同じくササミですが、目の前に近づけると自分で食べるようになりました。ここまで来ると放鳥の可能性が見えてきます。まだ箱に入れての飼育を継続していましたが、夜に皿の上にササミを置いておくと、朝には無くなるようになりました。

◆自分でエサを食べ、体力が回復してくると、箱から出ようとします。海鳥センターには、大型の野鳥をリハビリするためのゲージや部屋があるので、放してみました。このときからエサを、ササミからペット用エサの専門店で購入した冷凍ヒヨコやマウスに変えました。いつでも食べられるように解凍したマウスを置いておきますが、食べ過ぎることはなく、だいたい2日に1匹のペースで食べていました。
フクロウ放鳥しました_f0159390_112421100.jpg
       (冷凍マウス)

◆これらのエサを自分でしかっり食べて体力がつき、枝から枝へ飛び回るようになりました。体重も安定しています。自由に飛び回ることのできない部屋の中では、これ以上の飼育が困難になります。天候の安定している日をねらって放鳥することにしました。

このように今回は、奇跡的な回復を見せてくれて放鳥することができましたが、すべてが今回のようにうまくいくわけではありません。海鳥センターでの保護した野鳥の放鳥率はだいたい50%程度です。また、放鳥して終わりではなく、放鳥後も自然界で生きているのか継続的に見ていきたいのですが、いったん放してしまうとなかなか分からないのが現状です。

闇夜に飛び去るエゾフクロウに、「頑張って生きろよ!」と願いを込めました。

( I )
by seabirdcenter | 2009-12-15 11:32 | 本日の傷病鳥

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