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海鳥日記

フルマカモメ

4月17日の羽幌は春の嵐に見舞われ強風を伴うみぞれ混じりの雪が降りました。

カモメやウミネコも河川敷に座り込み風のほうに体を向けしのいでいました。
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こんな嵐の中羽幌港では普段沖合いにしかいないフルマカモメがいました。独特の形のくちばしを持っているためわかりやすいです。羽幌で目撃されたのは初めてです。
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このフルマカモメは飛び立とうとするのですが、風にあおられてうまく風に乗ることができないでいました。
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フルマカモメはカモメと名が付きますがカモメの仲間ではなく、ミズナギドリの仲間です。白色と暗色タイプがいて白色のタイプのは一見カモメに見えるのでその名前が付きました。ユーラシア大陸やアメリカ北部で繁殖していますが、日本では繁殖していません。

飛び立つにはウミガラスなどと同様に海上で助走が必要です。
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(撮影 岩沢光子)


ミズナギドリ科は海鳥の中でも体の割りに翼がに長いのが特徴です。
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(撮影 岩沢光子)

この長い翼を使って滑空とダイナミックソアリングをして非常に省エネで空を飛びます。
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『綿貫豊 著.2010.海鳥の行動と生態-その海洋生活への適応.生物研究社』より

このダイナミックソアリングはアホウドリとミズナギドリの仲間しかできない技で海の長距離異動に適応するために身につけたのだと考えられています。このため、ミズナギドリの仲間にはタスマニアやニュージーランドの近くで繁殖して赤道をまたいで北半球の夏に夏を追ってはるばる渡ってくる種がいます。
フルマカモメ_f0159390_115931.jpg
(撮影 岩沢光子)


(H)
by seabirdcenter | 2011-04-18 12:19 | 【自然情報】羽幌

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