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海鳥日記

天売島ウミガラス繁殖地にオオセグロカモメ現る

今年抱卵姿勢餌運びが確認された天売島の赤岩対岸で繁殖中のウミガラスですが、1羽の雛が8月2日にオオセグロカモメに捕食されました。その後、雛は8月4日、親鳥は8月5日を最後に姿が見られなくなりました。
7月も終わりに入り、天売島のウミガラスの繁殖地では少なくとも7羽のウミガラスが出入りをしていました。繁殖地では親鳥が互いに首を縦に振り合って挨拶をしたり、時に喧嘩をする中で、奥からは時折雛の声が聞こえ、親鳥は雛のために餌を持ち帰っていました。

そんな繁殖地の平和を破るできごとが起きました。オオセグロカモメが突然現れたのです。親鳥が果敢に抵抗したにも関わらず、あっという間に1羽の雛をさらって行きました。オオセグロカモメは味を占めたらしく、度々繁殖地に現れるようになりました。
天売島ウミガラス繁殖地にオオセグロカモメ現る_f0159390_1648119.jpg
『捕食者オオセグロカモメに抵抗するウミガラス』

1羽の雛が捕食されてから3日後、前日まで観察してきた雛と親鳥の姿が見当たりません・・・。観察終了時刻が近づく頃、1羽のウミガラスが繁殖地に餌を持って飛来しました。ところが、様子がこれまでと異なります。いつもなら真っ先に繁殖地の奥の方へ消えていくのに、入り口でしばらく立ち止まって周囲を見渡していました。しばらくするとこのウミガラスは昨日まで雛がいた奥の方へ入っていきましたが、餌を持ったまま戻ってきました。このウミガラスは入り口で立ち止まった後、海へ飛んで行きました。
天売島ウミガラス繁殖地にオオセグロカモメ現る_f0159390_2020899.jpg
『雛の餌を持ったまま繁殖地を飛び立つウミガラス』

2日後、繁殖地にはウミガラスの姿はなく、海上に4羽のウミガラスが浮いていました・・・。

ウミガラスの雛は無事に巣立ったのでしょうか?それとも、オオセグロカモメや他の天敵に捕食されたのでしょうか?何か事故に雛が巻き込まれたのでしょうか?観察状況からすると悲観的にならざるを得ませんが、その答えは海上に浮いているウミガラスだけが知っているようです。

(H)
by seabirdcenter | 2009-08-11 17:20 | ウミガラス保護増殖事業

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